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岳南朝日新聞1月掲載されました

毎月第2木曜日、岳南朝日新聞に母力コラムを掲載いただいています。 コラムタイトルは「母に必要なチカラって何だろう?」です。

1月は代表理事の塩川がコロナ禍の母たちと母力のチャレンジについて書きました。

以下より全文お読みいただけますので、ぜひ読んでみてください。





つながり続けるその先に



【コロナと母達】

感染者数が毎日何度も報道される日々の中、その影響を受けている女性に関するニュースも少なくない。10人に一人が発症すると言われている産後うつはこのコロナ禍で4人に一人が発症しているという発表があった。更に、女性の自殺が急増しているという。8月には前年同月比42.2%増、10月には更に82.6%増という信じがたい数字が出ている。

母力向上委員会でも3月以降個別相談に取り組んでいる。緊急事態宣言下ではオンラインによる個別相談にも挑戦した。その中では家庭内での夫婦の関係性の変化や、出産前の孤独感など様々な訴えが届いた。日頃、誰かと然もない話で盛り上がり発散していた母は発散場所を失い、行き先が制限されたことでこどものエネルギー発散が満足に出来ず、家庭内でこどもにキツクあたる母の自己嫌悪に近い嘆きも聞かれた。母達は誰かと会って話をする場や必要な知識や情報を得る場を求めていた。日頃の子育て支援の場がどれほど大切か痛感した。


【mama college開催への挑戦】 今年度、私達は独立行政法人福祉医療機構からの助成をうけて、「“つなぐ・つながる”産前産後サポート環境デザイン事業」に取り組んだ。その中の一つの取り組みとして全国で活躍中の講師を関東圏や浜松市からお招きし、「mama college premium2020~こどもを笑顔にする5つのヒント~」と題し、5つのテーマの講座を開催した。当初計画をしていた開催時期・会場・開催方法などに様々な計画変更を余儀なくされたのは言うまでもない。助成先からは事業を中止する選択肢も提示されたが、行き場を失い家に籠りがちで他の母達との交流をしにくい今だらこそ必要な事業であると判断し、「今だからこそ挑戦」することを選択した。

本来であれば広い和室にたくさんの子連れの母達に集まってもらい、感じたことをみんなで一緒に語り合ったりするはずであったが、9月から12月までの間、感染リスクを下げて安心して参加できる環境をつくるために、関東圏の講師の皆さんにはオンラインでご登壇いただくことにした。更に、参加者の皆さんにも会場参加かオンライン参加かを選択してもらうこととし、オンライン参加が初めてという方には使い方のレクチャーも行った。最後12月の講座2回はこの地域でも感染者が増えてきたため、直前でオンラインのみの参加へと切り替える判断をすることとなった。0才から3才のこどもを子育て中の母を中心として、おかげ様で延べ130名の方にお届けすることが出来た。


【ギフト】

5つの講座では、講師達から「あなたはあなたのままでいい」「子育ては受援力を学ぶ時間」「聴き方は生き方」などの言葉をうけ、参加者からは「ネガティブな自分だったから少し前向きになれそうな気がする」「もっと夫のことを観察理解してみたいと思いました」「これからの子育ての大きなエネルギーになりました!」等の感想が寄せられた。

日頃の子育てで不安と戸惑いの中にある母達に、自分をみつめ発見し、エネルギーとなる、そんなプレゼントのような講座にしたい、と思い企画した。講師達は各地で子育て・親支援を続けてきたエキスパートであり、自身も当事者として様々な経験をしてきた中で発せられるメッセージは、主催である私達も思わずホロリとなるような温かく優しいメッセージばかりだった。参加したことで気持ちが緩み、自分自身への受容が出来たことで、こどもへの受容力も高まり、家族として笑顔が増えた、というその後のエピソードを教えてもらえたことは主催者冥利に尽きる。


【学びと気づきと後ろ姿の循環を】

 講座の中でも伝えられたが、子育てにはたくさんの悩ましい課題が一人ひとりにやってくる。そこで助になるのが自分と同じような課題を少し先に取り組んだ人の話だ。学んだことを日々の暮らしの中で実践し、改めて自分なりの気づきを得る。そこから体得したものをかつての自分のような母に一つの情報として伝えてあげる。背中をみせてみる。これらは母力向上委員会が立ち上げ当初より大切にしてきた循環である。今回の取り組みを更に発展させ、この地域の母達に届けたい。この人と自由に会うことが出来ない今だからこそ、私達もチャレンジし続け様々な形で母達の出逢いの場、学び合いの場をつくり続けていこうと思う。私は母の笑顔はこどもや家庭、地域の笑顔を増やすと信じている。


文・写真:塩川祐子