毎月第2木曜日、岳南朝日新聞に母力コラムを掲載いただいています。 コラムタイトルは「母に必要なチカラって何だろう?」です。
9月はメンバーの望月希久枝が『仕事と育児の両立』をテーマに書きました。
以下より全文お読みいただけますので、ぜひ読んでみてください。
仕事と育児の両立
母力との出会い
神奈川県で生まれ育った私は、結婚を機に夫の住む富士宮に引っ越しをしてきました。それから間もなく仕事に就くことができ、出産のため産休を取りました。初めての出産は里帰り出産にした為、私は育児に専念することができました。里帰りから自宅に帰ってからが慣れない育児と家事に追われる日々でした。子どもを外に連れ出せる頃になり、子育て支援センターに行きましたが、知り合い同士の輪の中に入る勇気もなく、友達ができず落ち込む日々が続きました。そんな時に、母力向上委員会の講座に参加する機会がありました。「〇〇ちゃんのママ」という呼称ではなく個人として認識される喜び、講座を通じて、多くの方と知り合い、個人の意見が尊重され、安心した時間を過ごすことができました。毎回、講座が終わる頃には、満たされた気持ちになりました。そして、いつしか講座を通じて出会った気の合う友達ができました。知り合いがいなかった私にも、悩みを話せる相手ができたことが何よりの幸せでした。
試練だらけの仕事復帰
産休を明け、子どもが保育園に慣れるまでの一年間がとても大変でした。毎朝、保育園に送る度に大声で泣き叫ぶ我が子を背に、気持ちが滅入り、車の中で堪えていた涙を流すこともありました。毎日時間内に仕事を終えることの大変さ、帰宅後に泣く子供をあやしながら、夕食の準備、毎日があっという間に過ぎていきました。仕事に集中できず、以前は当たり前の様にできていたことができない、周りに迷惑をかけていることで、気持ちが落ち込んでいきました。そんな様子を見兼ねた義理の父母が、保育園の送迎を協力すると言ってくれました。それまでは夫婦二人で何とかしなくてはと、周りに頼るという選択肢を持っていなかったため、その言葉がどれほどありがたいことだったか、大変な時期を過ごしたからこそ身に染みて感じました。
二人の育児
一人目の出産の時は、初めてで不安ばかりでしたが、二人目はその反省を活かそう!と感じたのも、母力向上委員会のお産を語る会に参加したからでした。お産と言っても、同じお産は誰一人いないため、様々なお産を聞くことで、お産は怖いものではないと前向きに感じることができました。産後は気持ちが不安定なことが多く、上の子が良かれと思ってお手伝いしてくれたことにも、過敏に反応し叱ってしまうこともありました。バランスを取りながら二人の育児をすることは、考えていた以上にとても大変でした。夫が夜勤でいない夜は、自分が子ども達を守らなければと、重責を感じ、そんな不安に押しつぶされそうになったこともありました。そんな私の不安もよそに、次第に上の子が下の子の面倒を見てくれるようになりました。上の子が笑う姿を見て、下の子が一緒に笑う。そんな場面を見て、微笑ましく思うことも増えていきました。仕事復帰も前回の心配もありましたが、同じ過ちはしないようにと、事前準備をしっかり行った結果、仕事の遅れもなく、むしろ働くことが以前よりもとても楽しいと感じることができました。
環境の変化と決断
三回目の産休明けは、職場の環境が変わり一番過酷な日々でした。毎日帰るのも遅く、子ども達は夫や義理の両親に預け、子どもたちが寝ている顔を横目に、働く意義を何度も自分に問いました。そんな中、義理の父の入院をきっかけに環境が一変し、自分の仕事量、家庭環境を考え、仕事を辞める決意をしました。仕事と子育ての両立と言いますが、自分一人ではとても両立は無理でした。それを可能にしてくれたのも、毎日元気に過ごしてくれる子ども達、仕事後に家事を分担してくれた夫、子ども達の送迎や面倒を見てくれた義理の両親、職場で助けてくれた仲間、愚痴を聞いてくれる友達、離れたところでもいつも身体の心配をしてくれた実家の家族、子ども達を見守ってくれる先生たち、様々な方に支えられてきました。これからも支えてくれる方々を大切に、日々感謝を忘れずに過ごしていきたいと思います。
そして、今は縁あって母力向上委員会の広報の仕事に携わっています。私がこんなにも前向きに育児と向き合えたのも、原点に母力向上委員会の講座に参加した経験があったからだと思います。今まで参加していた側から発信する側に変わり、お母さんが笑顔で楽しく子育てができる、そんな環境作りの少しでもお手伝いができればと思っています。
文責 望月 希久枝
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