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岳南朝日新聞6月掲載されました


6月は神崎陽香

『「聞いていない事」だらけの育児生活』をテーマに書きました。


以下より全文お読みいただけますので、ぜひ読んでみてください。


「こんなの聞いてない…」

初めての育児は、聞いていないことだらけ。妊娠中は「私が人間を育てられるのだ.ろうか…」と不安になり、育児本を読み、赤ちゃんの生活リズムや成長の仕方を予習していたつもりでしたが、生まれてみたら、長男は四一九〇gのビッグサイズベビー。標準でいけば、生後一か月の赤ちゃんと同じ体重で誕生しました。よく頑張った…母も子も。もうここから、すでに育児本は参考になりません。

例えば…「新生児は三時間毎の授乳」…一時間毎の間違いでは?「トントンして寝る」…一度も寝たことはなかった上に、毎時間、スクワットやバランスボールで寝かせる日々。頑張った挙句、床に置くと起きる…。「おむつ替え」に至っては、替えたその先から不穏な音が聞こえる…。

そんな事の繰り返しで、新生児から三か月ほど、驚くほどに何も出来ない時間だけが過ぎていきました。そんな時間が嫌で、首が座ってからは、私と息子の基本形態は「おんぶ」になりました。これは最高のスキルでした。その上、「母親目線で色々な景色を見られる」という点も知育的には良いと言われています…これは、おんぶの時期を過ぎてから知ったのですが、この春中一になる長男に効果があったかは、今のところ不明です。



「終わらない寝不足の日々」

日中の家事が出来ない問題はおんぶで解消することは出来たのですが、自身の寝不足だけは解消できません。息子はおんぶで寝てくれても、背中が床に着いたとたんに起きる…珍しく成功しても三十分寝ればいい方。赤ちゃんを寝かせる事がこんなに大変だなんて…。

この時期、私が欲しかったのは、何よりも睡眠時間でした。こんなに寝られない事は初めての事だったので、相当のダメージを受け、可愛いと思っていたはずの長男が一か月を過ぎたころから可愛く感じなくなり、「この子がいなければ私は好きなだけ寝られるのに…」と思うこともありました。もちろん手をあげる事はしませんが、世の中のニュースで騒がれていた乳児に手をあげてしまうお母さんの気持ちが他人事ではなかったです。世の中で疲れてしまっているお母さんは、誰かに預けて、今すぐに、睡眠をとって欲しいです。

そんな中、私が陥った過ちは「このぐらいは、自分で頑張らないと」「自分が我慢すれば家庭はうまく回る」と、思う事でした。

誰かに頼む元気も残っていなかったので、「全部自分でやった方が早い」と思い、全て自分でやろうと頑張ってしまい、笑顔でいられる時間が少なかったように思います。

しかし、実は自分のキャパシティの三~四割程度を人の力に頼った方が母にも子にも良いのです。頼ることで、心の余裕ができ、その母親の心の状態が、子どもの発育にも良いらしいです。

ですので、罪悪感を持たずに、家事代行や、一時預かりの施設などを積極的に利用して、自分の心と体を大切にする時間を持って欲しいです。



「四種四様」

私は四人育ててみて、手のかかり方が全く違うと感じます。長男は、床がきしむ音で起きてしまっていましたが、双子の後に生まれた末っ子は、上の子たちが真横で騒いでいる中でも眉間にしわを寄せながら寝ていました(笑)。双子のご飯のお皿は食べ残しがあっても、最後、交換すればキレイになりました。本当に、一人一人好き嫌い、得意な事など、生まれ持ったものが全然違います。他人ではないですが、自分の分身でもない我が子。思うようにいかない事があっても、当たり前。「ま、いっか」と笑顔でやり過ごそうと心がけています。実際の所は、今も騒がしい子ども達を横目に、「この時よ。早く過ぎろ…」と、私は無表情。私の理想の母親像と現実は常にかけ離れていて残念です(笑)。



「孤独との闘い」

末っ子が新生児の時は、育児本通りに日々を過ごす楽な子だったので除外して、双子と長男、どちらが大変だったか…と言われると、長男の育児の方が辛かったように思います。今思えば、辛く思っていた原因は、育児ではなく、知らない土地で、知り合いもおらず、誰とも話せないという「孤独」でした。

もし今、孤独を感じていて、誰かと話したいと思ったら、支援センターや、母力向上委員会がオープンしている日に気軽に遊びに来てもらえたらと思います。

「誰かに話を聞いてもらう」という事自体に、不安の軽減やデトックス効果があるそうですよ。

「子育ては一人ではできない。周りを巻き込んで、みんなに子育てを手伝ってもらおう。」そう思ってから、預ける事にも罪悪感が薄れ、私の育児に対する気持ちも少し楽になったように思います。これからも、子どもに育てられながら、子どもに世界を広げてもらいながら、そこで出会った人たちと一緒に子育てを楽しんでいきたいと思います。


文責 神崎 陽香

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