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岳南朝日新聞9月掲載されました

9月は 林 千穂が

『育児不安に楽に向き合う方法』を

テーマに書きました。


以下より全文お読みいただけますので、ぜひ読んでみてください。

育児に困った時、多くのママがスマホで検索するなどして、調べることによって解決しようとするのではないでしょうか?今や授乳しながら、片手で親指を動かせば情報を手に入れることが出来ます。私ももちろんその一人です。ただ、SNSや育児書の言葉よりも、人と対面で話すことによって共感し合ったり、同じ境遇の人と出会うことの方が、楽に悩みに向き合えると実感したことがあります。




「ようちえんいきたくない」


その時は突然やって来ました。登園時間に間に合うように、準備をしようとバタバタしているところに、娘が涙ながらに訴えてきたのです。小学校や幼稚園の行き渋りは、そう珍しくないものだと知っていたので、もしかしたら自分の子にもいずれはあるかもしれない、でも年中に進級して慣れたと思われた頃だったので、大丈夫かなと思っていた矢先のことでした。思わず何も言えず固まってしまいましたが、これは休ませたほうがいいのかもしれないと何となく感じたので、園に欠席の連絡を入れました。


その日から私と娘の、朝の園に行くか行かないかのやり取りが始まりました。行く日もあれば、2~3日休む日もありました。同時に娘が園から帰って来た時の、泣き叫ぶ、怒ると言った気持ちの爆発も始まりました。朝は行くのかなと様子を伺い、帰ったらその爆発を受け止めるのは、私にとっても大きなストレスでした。無理やり行かせることはあまりしたくありませんでした。しかし、このまま休みが増えていくとどうなってしまうのか?私は保育者であったこともあり、ある程度理解しているつもりでした。しかし、いざ問題に直面すると大きな不安と焦りに悩まされました。




「希望のない手探り」


我が家は転勤族で、県外から引っ越してすぐに幼稚園を決め、年明けに下の子を出産、その年の4月に入園しました。知らない土地での生活、入園、さらにコロナ禍により行動の制限、色々なことが重なりながらの新生活のスタートでした。行き渋りが始まった当初、身近な相談相手は夫のみだったので、一緒に話し合ったり、頻繁にSNSで検索して、あれこれ考えたりしました。日中家にいない夫も何か参考になるのではと考え、対応について書かれた本を紹介してくれて、目を通しましたが、特に気持ちが晴れるわけでもなく、答えが出るわけでもなく、悶々とした日々を過ごしていました。そうした中、娘の気持ちの爆発に我慢ができず、わたしもイライラをぶつけてしまうという、悪循環に陥ってしまい、つらい状況でした。




「思いがけないところから」


ある時、幼稚園の同じクラスの男の子が休みがちであるということを聞いて、思い切って、その子のお母さんに理由を聞いてみました。すると「園に行きたくないっていう時があって、休んでいるんだ。たまにあるんだよね。」と、仕方ないという風な表情でした。その瞬間、モヤモヤしていた心が、急にスッと軽くなった感覚がありました。あれだけ検索魔になっても晴れなかった心が、同じ経験をしている人が身近にいると分かっただけで、明るくなったのです。また、私が母力向上委員会に足を運んだ際に、先輩ママに娘の話をしたところ、幼稚園の頃行き渋りがあり、悩んで過ごしていたと話を聞き、さらに今の小学校での様子、家で実践しているストレス発散方法などを聞くことが出来ました。そういった話を聞く機会が増えるにつれて、これから先のことはわからないけど、あまり深く思い悩む必要はないと、今では以前よりも大きく構えられるようになりました。




「悩んだ時こそ外へ」


私が母力向上委員会で、現在担当している事業に、mama college0歳児クラスというものがあります。そこでは様々なイベントを用意して、0歳児のお子さんとママをお迎えしています。話を聞くと、月齢によって発達が全く違う0歳児、我が子が日々成長すると共に悩みも変化して、常に奮闘されているのが分かります。話をしていく中で、ママ同士や先輩ママから育児のヒントを得たり、共感しあったりして、帰る頃には来た時よりも笑顔になっていて、私も嬉しくなります。育児は個人戦ではなく、団体戦。育児に正解はないとよく言われていますが、答えの出ない問題に一人で悶々と悩む時間を過ごすよりも、いち早く仲間見つけをする方が、楽に問題に立ち向かえると、私は思います。



文責 林 千穂

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