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岳南朝日新聞4月掲載されました

  • 母力
  • 4月29日
  • 読了時間: 4分

4月は 金井 あゆ美

『我が子が親になる時代に想いはせ』をテーマに書きました。


以下より全文お読みいただけますので、ぜひ読んでみてください。


「我が子が親になる時代に想いはせ」


私が長女を出産したのは10年前でした。次女を出産したのは2年後の8年前になります。その2年間の間にも、社会の子育ての変化を感じました。一番感じたのは、育児関連の父親の参加率です。長女の時よりも、次女の時の方が妊娠期のパパママ学級(富士宮市では『もうすぐパパ・ママ学級』とされ、現在、内容によっては初産の方のみが対象になっているものもあります)や0歳児の予防接種に両親で来ている人の割合が多くなったように感じました。

長女や次女が保育園に入園したのは7年前。入園式には両親揃っての参加が多かったように感じましたが、この頃はまだまだ送迎の大多数は母親であったように思いますが、娘たちが卒園する頃には、朝イチの送迎時間の割合は父親も母親も同じくらいになってきたことに気付きました。月曜の朝に、大きなお昼寝布団を肩に掛け、上の子の手をひきながら、下の子を抱っこして必死で登園させるお父さんも珍しくなくなりました。また、小児科への付き添いも、父親が一人で連れてくるという光景も当たり前になってきたように感じます。さらには、勤務先において育児休業を取得する男性もちらほら現れてきたのもここ数年の光景です。

私の両親も共働きでした。母は幼稚園の教諭をしていたため、入園式や卒業式などはほとんど出席できず、父が出席していました。30年前にもなる小学校の入学式のクラス写真にうつっている父親は我が家ともう一軒だけ。そういう時代だったと思います。「まぁ、恥ずかしかったけど、仕方ない、行くしかないから。」と父は言っていました。夕飯をつくれば、祖父に「男が台所なんかに入ってみっともない。」と言われていたのも知っています。母親は家事育児を、父親は外で働いてくることが当たり前だったのでしょう。大多数がそうしていた、ということが当たり前の価値観になる時代でもあったのだと思います。

多様な価値観が尊重される、今の時代が私はとても好きです。男だからこうあるべき、女だからこうするべき、ではなく選択して自分の生き方を決めることができつつあります。育児、家事に専念したいと専業主婦(今は専業主夫の選択もありますね)を選ぶ女性、結婚出産しても仕事を続ける女性、そのどちらの型にもはまらない女性もいます。子育て中の男性は選択肢が少なかったのですが、近年ようやく男性も育児休業を取得する動きが高まってきました。子育てをする世代に「男も女も関係なく、家事育児に参画する」という感覚が当たり前になっていると感じます。



【現代のパパママよ、未来のためにわがままであれ】

私が子どもだった30年前に比べ、共働きを選択する(選択せざるを得ないのかもしれませんが)子育て世帯は増加しています。男女関係なく経済的に自立し、家事育児を担うオールマイティーさが現代の親には求められ、選択の自由はありながらも苦しさもあります。

母親、父親が育児、家事、仕事を担っていくためには、時短家事の工夫などのそれぞれの家庭の努力だけでは難しく、仕事でも業務改善や制度改正、それらを扱う人々のマインドがもっともっと変化していかねばならないと思います。「選択子無し」という言葉もありますね。選択できるのは良いことと思いますが「育児は大変そうだから」という理由だけでは悲しい、育児環境を私たちの世代でよりよく変化させ、私たちの子どもが大人になって子育てをするときに、子育てしやすい環境を残したいと本気で考えています。

そのためには、現在子育て真っ最中の私たちがもっともっとわがままになる必要があると考えています。親が子に寄り添い、健全な家庭環境を整えることができる心の余裕を持ちながら、社会で働くことが実現可能な社会にしていかねばならないとも思うのです。




【一人一人ができることを重ねて、きっと変わってゆく】

この5年、10年で子育ては少しずつ変わりました。明日すぐにとか、自分の子どもが保育園を卒園するまでには、もしかしたら何も変わらないかもしれないけれど、年単位でゆっくり、しかし確実に変化しています。

何も政治家になるとか、社会運動するとか、そういった直接的なことでなくても、選挙に行ってみるとか、国や県、市の取り組みに興味をもつとか、そんなことでもいいかもしれません。変化を受け入れられる社会をつくるために、誰かの話を傾聴したり、自分の気持ちや考えを言葉を選びながらまっすぐに伝えてみたりすることも、きっと未来につながることだと感じます。自分にできることを、未来にパパママとなる子どもたちのために。




文責 金井 あゆ美



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