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岳南朝日新聞6月掲載されました

毎月第2木曜日、岳南朝日新聞に母力コラムを掲載いただいています。 コラムタイトルは「母に必要なチカラって何だろう?」です。

6月は代表の塩川祐子が『子育てを分かち合い支え合う』をテーマに書きました。

以下より全文お読みいただけますので、ぜひ読んでみてください。




子育てを分かち合い支え合う

複合型の支援

妊娠・出産・産後の時期は、急激なホルモンバランスの変化や、それに起因した体や生活そのものの変化があり、精神的にも不安定になります。赤ちゃんが最優先になることで、お母さん自身の体調や精神が不安定であっても我慢しがちです。しかし、この時期に無理をし過ぎると、育児ノイローゼや産後鬱、ともすると乳幼児虐待や自死につながってしまいます。

昨年からこのコロナ禍において、女性の自殺率の急増やDV及び虐待件数の増加など更なる社会課題が浮き彫りとなってきました。男女ともに苦しい状況の人が増えているのです。元々社会的サポートを受けることへのハードルを感じている子育て層にとっては、これらのことを誰にも相談することができずに一人で抱え込んでいる人もいることでしょう。子育て中の男性も女性も、子連れで出かける場所、交流・相談できる場所、子どもがいても仕事や自分のやりたいことに集中できる環境が更に重要になってきていると感じています。

そこで、わたし達はこれまでに築いてきた支援ネットワークを活用し、妊娠期から産後までの切れ目ない支援を実現するため、昨年から富士宮市委託事業「妊娠出産子育てシェアサポート事業」に取り組んできました。1年間で約700名の方にご来場、ご参加いただきました。


お昼寝するほど安心できる

昨年度、各回来場時と退場時に「育児の不安や悩みが軽減しましたか?」「心身のゆとりが得られましたか?」などの質問に対し回答の度合いを数値で記入してもらっていました。毎回来場時よりも退場時の数値が上昇し、また来場を重ねるごとに更にその数値が上がっていくことがわかり、複合型支援の効果を肌で感じることができました。

初めて来てくれた方には、スタッフが声をかけながらお母さん同士が話をするきっかけをつくります。双子の子育てでここにやっとたどり着いたお母さんは、みんながいる中で安心して昼寝をしてくれたことがありました。その間お子さんはスタッフや他のお母さんたちでお世話しました。

また、育児相談をしていた方の相談内容が、次第に自身の今後のキャリア形成の相談に変化し、実際に職場復帰するなど産後に女性がステップアップしていく姿もみることができました。ワークスペースでは、子どもたちがスタッフに見守られる中、自分の仕事や趣味に取り組む姿があり、時にはコロナの影響で在宅ワークとなっているお父さんにもご来場いただけました。

昨年度の事業終了時には、事業継続を求める声を多数いただき、アンケートでは「是非来年も続けてほしい」との回答が100%となりました。そして、この春再度の選考を得て、無事に今年度もこの事業を継続実施できることになりました。またあのお母さんたちの顔が見られるかと思うと本当に嬉しいです。


今年度は何をするの?

今年度の事業全体の名前を、Living Squareと名付けました。暮らしを感じ、生き方を考えていくことにもつながる場という意味をこめました。大きく4つの事業で構成します。産前産後の居場所及び子育て支援をメインとしたPLAYDAY。そして子育てに慣れてきて自分の生き方について少し考えるようになった方を受け入れる自己研鑽の場となるFORMEDAY。3つ目に更に自分の力を試す、自己実現、挑戦の場のTRYDAY。最後に、これらすべてに対し支える側となる支援ネットワークの強化です。

PLAYDAYでは、実家や友人のリビングでゆったりとくつろぐような気持ちで過ごしてもらうことができます。ケアサロンの出店もあるため、体に不調があってもなかなか子連れでは行けないサロンの施術を体験してもらうことで心身共に癒されて、育児に必要なエネルギーをチャージしてもらうことができます。FORMEDAYでは、仕事や趣味に取り組むことができる居場所の運営。午前と午後に開催する講座は、次のステップへの準備ができるようなきっかけとなります。そして、チャレンジしてみたいことがある方にはTRYDAYにエントリーをお薦めします。経験豊富なピアスタッフが講座やワークショップの開催の実現に向けて伴走サポートします。

LivingSquareの詳細については母力向上委員会ホームページよりご確認ください。7月から開催の予定です。

今年もたくさんの出逢いがあると思うとワクワクします。笑顔でいられない時、元気じゃない時でも足を運んでみてください。スタッフは全員お母さん。そこには同じような経験をしてきた仲間がたくさんいます。みんなで分かち合い、支え合っていきましょう。



写真、文章 塩川祐子



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