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岳南朝日新聞7月コラム掲載されました


毎月第2木曜日、岳南朝日新聞に母力コラムを掲載いただいています。 コラムタイトルは「母に必要なチカラって何だろう?」です。 7月はメンバーのまさえちゃんが思った通りにいかなくても大丈夫~をテーマに書きました。以下より全文お読みいただけますので、ぜひ読んでみてください。





このコラムのお話をいただき、妊婦時代から今までを改めて思い返してみましたが、バタバタだったなと苦笑いしてしまいました。

8年間の社会人生活で、物事への完璧主義を少し[Wユ1] こじらせた私は、効率の悪いことやプラン通りにいかないことに、ついイライラしてしまう性格に。そんな私は、妊娠から現在までの約3年間で思った通りにいかないこと尽くしの洗礼を受けました。現在も絶賛奮闘中ですが、周りに助けてもらいながら少しずつ「それでも大丈夫」と思えるようになりました。

▽仕事大好き妊婦のドタバタ出産

私は、富士宮に越してから2年が経ちますが、息子の産後3カ月までは東京で暮らしていました。産休に入るギリギリまで、休日出勤は当たり前、毎日早朝から深夜まで仕事をしてしまう、仕事大好き妊婦でした。産休に入ってからも引継ぎ書類を作成したりしながら、あっという間に出産予定日を迎えます。

しかし、息子は出産予定日を過ぎても一向に産まれる気配がなく、予定日を7日超過したところで入院することになりました。そして10日超過したところで、これ以上大きくなると経膣分娩が出来なくなると言われ、朝10時に陣痛促進剤を投与。加えて、子宮口の開きも悪かったためバルーンも入れられることに。

午後6時頃には陣痛が1分間隔になり、バルーンも抜けて子宮口も全開。いよいよ産むぞという空気になりましたが、肝心の赤ちゃんが産道へ降りてきてくれません。激痛に耐えながら未だか未だかと思っていると、助産師さんから「心拍が弱くなってきている。帝王切開しますよ」との言葉が。「こんなに頑張ったのに切るんかい!」とツッコミを入れつつも、手術室へ運ばれ、緊急帝王切開で午後10時42分に息子を出産しました。お腹を開けてみたら、へその緒を首に二重に巻き、更にたすき掛けにしていたそうです(それは出てこない訳だ)。出産は何があるか分からないと頭では理解しつつも、どこかで陣痛は数時間でポンッと[Wユ2] 産まれるだろうなと軽く考えていた私の、最初の「思った通りにいかなかったこと」でした。

▽悲しい授乳時間

 出産した病院では、母乳育児を推奨していました。しかし母乳だけでは体重が思ったように増えず、最初から母乳とミルクの混合で育て始めました。退院してもそのスタイルは続き、まず母乳をあげてからミルクを足していきました。

 ここで私の体に変化が起きます。「母乳をあげていると悲しくなる」のです。多くのお母さんからは授乳時間が幸せと聞きます。しかし、私の場合は何故か涙が止まらなくなってしまい、おっぱいを吸う我が子を見つめ[Wユ3] て「どうぜ母乳だけじゃ足りないからミルクを足さなきゃ、お金がかかるな」「なんで満足に母乳もでないんだろうか、ダメなママでごめんね」とネガティブ思考全開で泣きながら授乳していました。このネガティブ授乳タイムは、息子がおっぱいを離すと、自然と止む不思議なものでした。これが二つ目の「思った通りにいかなかったこと」です。

 しかし、まもなく富士宮への引っ越しを控えていたため、さまざまな手続きや新居の内覧等で私の両親に息子を預ける時間が多くなり、自分自身の心境や状況をどこかに相談する暇もないまま、母乳から完全ミルク育児へシフトしていきました。

▽そして現在。まだまだ洗礼は続くけれど…

 それからも思った通りにいかないことは、本当にたくさんあります。なかなか進まない離乳食、食べるようになったかと思えば白いごはんや素うどんしか食べない、車でしか寝付かない等々。

 そんな私を救ってくれるのは、いつも周りの人たちでした。「他の子と比べずに、目の前の息子にとことん向き合いなさい」と喝をいれてくれる両親、「大丈夫?預かってあげるよ」と気にかけてくれる義両親、「うちもそうだよ」「どこも一緒だよ」と言ってくれる友人。

特に主人は、いつも悩んでいる私の話をきき、その都度ポジティブなレスポンスをくれました。「大丈夫。いつか食べるようになるよ」、「俺も小さい頃そうだったからみたいだから、仕方ないね」と。時々、楽観的すぎる主人の方にイライラすることもありますが、それでいいのかも知れません(笑)

 出産や育児の大変な部分は、どうしてもママの担当が多く、殻にこもりがちになり、周りの意見も何を信じていいのかわからず不安でいっぱいの毎日だと思います。それでも、たまには「それでも大丈夫」「それでいいんだよ」と少しずつ自分を認めてあげて、想定外のことだらけでも楽しく育児をしたいなと思います。

 (文・写真:佐野正恵)

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