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岳南朝日新聞12月掲載されました



12月は小野麗佳が

【転入しママ友もいなかった13年前の私のようなママへ】をテーマに書きました。

以下より全文お読みいただけますので、ぜひ読んでみてください。


【友達ができない】

私は結婚を機に山梨県から富士宮に転入してきました。転入して来た頃から富士宮に友達がほしいと、夫の同僚の奥様たちと食事会をしたり、市主催の講座に参加したりしていましたが、なかなか仲のいい人はできないまま、出産に至りました。当時は「友達ができないのもまぁ仕方ないか」程度に考えていましたが、産後すぐに壁にぶつかりました。

夫は仕事に行き、私は子どもと2人きり。会いに行きたい友達もなく、まだしゃべらない0歳の我が子に「おむつ変えようね~」「なんで泣いてるの?」と一方的に話しかけるだけの日々。夜遅く帰ってくる夫と話せる時間は少なく、夜中は2時間おきの授乳に疲れ果て、朝は夫を見送るのが精一杯。こんな生活が2ヶ月続いた頃、私の精神は限界を迎えていました。

子育ては始まったばかり。買い物ですれ違う知らないおばさんに「今が1番かわいい時期ね」と話しかけられ、その1番かわいい時期に我が子をかわいいと思えない自分に、むなしさと悲しさ疲労感を募らせていました。それでも休めない、眠れない、家の中はぐちゃぐちゃ、我が子がなぜ泣いているかわからない、やることはたまっていく。そんな八方塞がりの私を救ったのは、人と話すことでした。


【話すことで救われた】

偶然見つけた「笑顔のコーチング講座」というママ向けの講座。子連れで参加可能というこの講座に藁にもすがる思いで参加しました。緊張の中参加したこの講座は、ママ同士で「笑顔になるのはどんな時?」などについてグループトークをしていくような内容でした。初めて出会うママに話していく自分、それをちゃんと受け止めてくれるママたち。大人同士でまともな会話をすること自体が久しぶりで、自分の言ったことにうんうんとうなずいて聞いてくれる人がいる。それだけのことがこんなに心を動かすとは思ってもみませんでした。

その講座を主催していたのは、当時発足2年目の母力向上委員会でした。その日のうちに3ヶ月先の講座までいっぺんに予約し、毎月その日が来るのを心待ちにして参加していきました。そうするうちに、ママの友達もできていき、そんなに何度も参加するならと、団体運営を手伝わないかと声をかけていただき、今の私がいます。


【地域の情報に救われた】

同じ富士宮で子育てするママたちと繋がってみると、本当にいろいろな情報が手に入りました。まだ転入2年目だった私は、地域のこともよくわかっていなかったのですが、「あそこのスーパーは肉が安いんだよ」、「0歳連れで行くならあそこの支援センターがよかったよ」などの口コミを聞きながら出かけたり、そこでまた相談に乗ってくれる先輩ママたちと出会ったりして、私の精神は時間をかけて落ち着き、富士宮の良さを知っていくことができました。

あれから13年が経ち長女は今年中学生になりました。今では、地元の人より情報持っているよね、と言われるくらい、地域の子育て情報マニアとなっています。



団体運営をする側にまわったことで、我が子が大きくなった今でもママたちからいろいろな情報を知ることができます。13年前からあったという子育てに共感性の高いお店や教室の話を聞くたび、「あの頃知っていれば、もっと早く私の精神は落ち着いたのかもしれない」と思います。


【子育てを応援する人たち】

富士宮は、大きな支援団体や支援先がドンとある地域ではなく、小さいけど本当にいい子育て支援サービスや場所を運営している人がたくさんいる土地だなと感じています。そんな団体やお店がつながることができないかと、数年前から「富士宮子育て支援者ネットワーク」を発足しました。現在30団体ほどが登録しています。これまで研修や交流会を開催してきましたが、来年春には、ネットワークをまとめたリーフレットを作成して、0歳~3歳くらいのお子さんを子育てしているママたちに配布しようと準備しています。このリーフレットが、13年前の私のように、今情報不足でどこに頼っていいかわからず、1人で子育てを抱え込んでいるママの希望になればいいなと思います。子育ては1人ではできない。みんなですればいいのです。応援してくれる人は、実はこの地域にはたくさんいます。リーフレットは、春には児童館などに置いていただく予定です。楽しみに待っていてください。


文責 小野 麗佳

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