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岳南朝日新聞2月掲載されました


2月は塩川祐子が

『産みたいまち、育てたいまち』をテーマに書きました。

以下より全文お読みいただけますので、ぜひ読んでみてください。


【コロナ禍での妊娠出産子育てとパパの育休】


コロナ禍スタートから3年。未だ感染の勢いが収まらず妊娠期から子育てスタート期の子育て層には不安を与え続けている状況です。その中でこの町を選んで産声をあげてくれたこども達は日々成長をし続けています。からだの不調と慣れない育児で心身共に疲労のピークが訪れる産後。そこに頼もしい存在なのがパパ達の存在です。特に最近の母力向上委員会では居場所事業の中でパパの育児休業育取得の話題が出たりします。育児休業中というのは休みであっても休んでいるわけではなく、家のことや子育てをする時間です。初めての子育て夫婦であれば二人で一緒に試行錯誤しながら少しずつ子育てに慣れていくことが出来ますし、家のことも二人で上手にシェアが出来るようになります。二人目三人目の子育て夫婦であれば、上の子の送迎はパパが、上の子がママを求めた時にはパパが生まれた赤ちゃんのお世話をし、その間にママと上の子がじっくりと大切な時間を過ごすことが出来ます。コロナ禍で同じような子育て中の方と出会うことが出来ないママ達にとって、育児休業中のパパの存在はまさに子育てを共感し合うことが出来る仲間であり、身体的にも精神的にも不安定な時期を支えてくれる一番のサポーターとなるのです。



【無意識の思い込み】


昨年12月から、母力向上委員会では静岡県が主催する「男性の家事育児参加促進出前講座」で講師として「仕事と家庭のダブルマネジメントセミナー」と題して家事シェアリングや育児休業についてのお話を県内の企業にお届けしています。少子化対策及び女性活躍のための施策として国の方針で全国的に取り組みが始まっています。家事や育児、更に仕事と女性が負っている二重三重の負担を、男性の理解と家事育児への参加を促進することで軽減し、その影響として働きやすさ、育てやすさの実現を図るという方針です。女性が活躍しにくく、男性の長時間労働が常態化している背景に「アンコンシャスバイアス」があると言われています。このアンコンシャスバイアスとは本人も気づいていない無意識の思い込みや物事の見え方や捉え方の歪みや偏り等のことを指します。わかりやすい例でいえば「男は家庭を持って一人前」「家事育児は女性の仕事」「共働きでも男性は家庭より仕事を優先させるべきだ」や或いはこの反対「共働きでも女性は仕事より家庭を優先させるべきだ」等、これまでの人生の様々な場面で受けた影響によって少しずつ形成されたもので、誰もが持っているものとも言われています。私達は日々無意識的に多くのことを判断しているのですが、このような無意識の思い込みによる判断・言動で気づかないうちに周囲の人を傷つけてしまったり、可能性を排除してしまう等不利益をすることがあり、これらが問題の原因として存在するということです。



【笑顔をウミダスために】


 先ずは私達一人一人が自分の中にも気づいていない無意識の思い込みや偏りがあることを知り、その傾向に気づくことで対応を変化させることに繋がります。特に意識しておきたい言葉として「当たり前」や「普通」があります。これらの言葉が出てくる時、その背景には自分の中のアンコンシャスバイアスが存在するのです。自分の考えや価値観と異なる場面に遭遇した時、「なるほど」「だとしたら」という肯定的な言葉で対話をしていくことで建設的な変化がもたらされます。

会社には子育てだけではなく様々な背景をもつ人が存在します。アンコンシャスバイアスを払拭して、治療や介護等と仕事を両立を図る方々も含め誰もが働きやすく、家庭も仕事も自身の人生も充実感を感じることが出来るような働き方が出来る職場が地域に増えることで、この町での暮らしやすさ、子育てのしやすさにも繋がり、子ども達の笑顔を増やしていくのだと思います。少子化が喫緊の課題となっていますが、「ここで子育てをしてみたい」「子どもを産んでも大丈夫」と思うことが出来る地域を構築していくことが先ず必要であると思います。大人達がイキイキ暮らしている姿をこども達に魅せることが出来れば、こども達も未来にワクワクしながら育っていくことでしょう。母力向上委員会も地域の皆さんと協力をしながら、産み育てたいと思うことが出来る環境デザインに尽力していきたいと思います。


文責 塩川 祐子

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